収益物件(利回りと修繕費)

アパート等の収益物件を購入する場合、購入価格に対する家賃収入の割合(利回り)について考慮する必要があります。利回りには2種類あり、購入後の費用や収入減を考慮していない表面利回りと、維持管理費、修繕費、税金、保険料等の費用を見込んで(控除して)いる実質利回りがあります。

買主にとって大事なのは実質利回りです。適切な実質利回りを元に意思決定をすれば、不動産投資に失敗することはないと言われています。

管理会社に支払う維持管理費や、税金、保険料、入居者入替わり時の経常的な修繕費等については、過去のデータを見れば概ね予測はつき、適切な実質利回りに近づけることはできそうです。但し、建物の劣化や目に見えない欠陥等により突発的な修繕費がかかってしまうことは多くあります。

収益物件を購入する場合は、今後どのような修繕費(大規模修繕や突発的な修繕)がかかってくるのかを、できるだけ詳細に知っておき、これらがいつ頃必要になるのかをでき得る限り予測する必要があります。特に中古物件の場合は、これら修繕費は実質利回りに大きく影響してきます。

広島市中心部の料飲ビルは、相当な築古物件が多くあります。テナントが全て入居していて、表向きは利回りも手頃で優良物件に思えるものがたくさんあります。但し、築40年~50年以上の物件の多くは、設備配管が相当に老朽化していたり、アスベスト使用の物件もあります。ライフサイクルコストを考慮すると、とても優良物件とは言えないものがたくさんあります。

きっちりとした運用を考えるならば、不動産との付き合いは相当な長期にわたります。建物の状況をしっかり把握して、長期的意思決定をしなければなりません。

収益物件の価額査定においても、建物の状況をしっかり把握して建物劣化状況等の内容を元にした修繕費相当額を実質利回りに反映させて、収益還元法を適用することとなります。収益還元法は不動産査定の手法の一つで、不動産の収益性から売買価額を求める手法です。

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