建物状況調査と建物価額

建物価額は、まず対象建物の「再調達原価」を査定し、「耐用年数に基づく方法」と「観察減価法」を適用して減価修正額を査定し、これを再調達原価から控除することにより求めます。

建物価額 = 再調達原価 - 耐用年数に基づく減価額 - 観察減価法

再調達原価とは、対象建物を新たに建築、購入するために必要な価額をいいます。構造(木造や鉄筋コンクリート造)や建物グレードにより再調達原価は異なり、また使用資材の価格は時期によって変化することがあります。再調達原価は具体的には部位ごとの積算によって求めたり、同種の建物にかかる建設事例から比較して求めたりする方法があります。

耐用年数に基づく方法による減価額=再調達原価×(経過年数÷経済的耐用年数)

経済的耐用年数とは、建物が経済的に価値を有するのは何年か。言い換えると、無価値になるまであと何年かを査定します。建物が経済的に稼働できる残りの寿命を「経済的残存耐用年数」といい、経過年数(築年数)+経済的残存耐用年数=経済的耐用年数となります。税法上の減価償却のために設定する法定耐用年数とは考え方が異なります。

観察減価法による減価額は、対象建物について維持管理の状況、補修の状況等実態を調査することにより求める減価額です。

建物は部位ごとに、経済的残存耐用年数が異なり、部位ごとに劣化状況や補修状況も異なります。従って、これら2つの減価修正は基本的には部位ごとに行う必要があり、大規模修繕や部分的リフォームをしている部位がある場合、経済的残存耐用年数は長期に査定されることになります。(弊社では基礎、躯体、外部仕上、内部仕上等の10項目に分別して、各々の減価修正を行っております。)

「建物状況調査」においては、対象建物の基礎、外壁、建具、設備等々の各部位ごとの劣化事象を調査し、報告書にまとめていきます。従って、部位ごとに減価修正額を明確に把握することが可能となり、建物価額を正確に把握することが可能となります。また当事者に対する説明力も担保されます。

建物価額を求める場合には、「建物状況調査」は大切なプロセスと言えます。

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